地域薬学ケア専門薬剤師をゼロから最短で取得するための手順(2020年版)

地域薬学ケア専門薬剤師 専門薬剤師

日本医療薬学会が新たに設置した「地域薬学ケア専門薬剤師」を取得するための手順を具体的にお示しします。

別の記事で書いている通り、さまざまな事情が重なって、2020年度の取得ハードルが非常に低くなっております。

じゃあ、どうすればいいのか?について、要件ごとに何をすればいいのか、を紹介します。

認定要件を確認しみましょう

まずは、必要な要件について確認します。本来は11要件がありますが、制度開始初期における経過措置と2020年度特有の事情により、直近で必要になる要件は半減しています。確認してみましょう。

  1. 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。
  2. 薬剤師としての実務経験を5年以上有すること。
  3. 申請時において、本学会会員であること。→これから入ればOK
  4. 「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」、「日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師」、 「日本薬剤師会・生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上」、その 他本学会が認めた認定制度による認定薬剤師のいずれかの認定を受けていること。
  5. なし→研修歴不要
  6. 別に定めるクレジットを5年で20単位以上取得していること。
    → 足りなくてもOK。足りない分は来年カバーしてね。
  7. 専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義に1回以上参加したこと。
    → 今後近いうちに開催(WEB配信)予定なので受講してね。
  8. 本学会の年会に1回以上参加したこと。
    → 第30回の年会に今から申し込めば間にあう。しかも、今回は1週間のWEB開催(仕事休んで出張する必要なし)
  9. なし→症例報告不要
  10. 以下の研究活動のうち、発表あるいは論文の条件のいずれか一方を満たすこと。→ とりあえず不問。来年のうちに何とかクリアしてね。
  11. なし→試験不要(おそらく試験そのものを実施しない?)

まず、最初の2つは、いまから数か月の間にどうにかなるものではないので、満たしている前提で話をすすめます。

  1. 日本国の薬剤師免許を有していること。
  2. 薬剤師としての実務経験を5年以上有すること。

また、2020年の暫定申請では免除、または先送りとなる要件については、今回はとりあえず棚上げします(汗)。

まずは認定を受けてしまってから考えましょう(爆。
そんなので大丈夫なのか?と不安を覚える人もいるかもしれませんが、

大丈夫です。

言い過ぎではありません。
以下の要件を満たして、申請できる人であれば、残りの要件を満たすことは、技術的には問題ありません。

では、これ以降、必要なものに絞って、実際に見ていきましょう。

ステップ1:日本医療薬学会に入会する

3. 申請時において、本学会会員であること。
の要件を満たすためには、とにもかくにも学会に入る必要があります。

入会の薦め
https://www.jsphcs.jp/tetsuzuki/1-1.html

画面一番下にでてくる「入会申込」をクリックして手続きを始めてください。

ポイントは「申請時において」と「会員であること」です。

つまり、申請するときに会員番号がないといけないと理解してください。手続きにそれほど手間がかかったという話は聞きませんが、申請直前では遅延することが容易に想像できます。

学会事務局の処理速度の問題でもあるので、該当数が非常に多ければ救済されるかもしれませんが、それはこちら側の勝手な前提ですので、そのようなことで右往左往しないようにできることはやっておきましょう。

ステップ2:日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師(G01)を取得する

4. 「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」、「日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師」、 「日本薬剤師会・生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上」、その 他本学会が認めた認定制度による認定薬剤師のいずれかの認定を受けていること。

医療薬学会の専門薬剤師制度において認められる基礎認定資格は、「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師(G01)」か「日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師(G04)」か「日本薬剤師会・生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上」の3つのみだということです。

薬剤師認定制度認証機構が認めている他の制度では要件を満たさないので、このどれかを取る必要があります。

現状、認定薬剤師を有していないのであれば、今からとれる認定薬剤師は「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」一択です。

とはいえ、今から研修単位集めるの超大変だし、それよりもこのご時世、研修行くのとかちょっとヤダ・・・という人でもOK。コロナもへっちゃらのWEB研修を活用しましょう。

こちら、参考記事です。

なお、ここで紹介している、e-Learning のサイト一覧の場所(URL)が、大変大変大変わかりにくくなっています。ワザとじゃないかというくらいわかりにくいです。

認定対象集合研修会>他機関が主催する研修→インターネット研修http://www.jpec.or.jp/kenshu/jyukou/kenshunintei_internet.html

申請する認定期間に注意!

ちなみに、日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師の認定期間は、申請者が開始時期を指定できていたと思います。

申請時に認定されていることが必要なので、認定期間の設定には気を付けてください。地域薬学ケア専門薬剤師の認定期間と開始日を合わせるようなことはしないでください。

期間がもったいないからと未来日にして、申請時に認定期間前だと、要件を満たしていないことになってしまいます。

また、認定の証明は原則認定証(賞状みたいなやつ)ですが、届いていない場合は、先に届く通知のハガキで代用できます。なので、ハガキは大事に取っておきましょう。

ステップ3:第30回日本医療薬学会年会に参加申し込みをする

要件に記載されている順序とは、前後しますが

8.本学会の年会に1回以上参加したこと。

とあります。直近の年会は第30回で、当初の予定が変更となり、2020年10月24日(土)~11月1日(日)の期間で「オンライン学会」での開催となることとなりました。

期間が長いのは、業務を休むことなく各コンテンツを見られるようにということのようです。

2020年7月31日までが、事前参加申し込み期間となっており、そのあとは、いったん申し込み受付は中断して、9月上旬から「オンライン参加申し込み」が再開される予定です。

なお、事前参加申し込みとオンライン参加申し込みで参加費用に差額はないので、7月31日に間に合わなくてもがっかりすることはありませんが、「あとで・・・」は忘れる理由の横綱ですので、十分お気を付けください。

ステップ4:専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義を受講する

7.専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義に1回以上参加したこと。

この「専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義」は、現時点でまだ1回も開催されていません。

もともとは6月に第1回が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止、11月に第2回が予定されていますが、現時点では開催可否が流動的であるので、こちらもオンライン開催が検討されているとのことです。

ただし、これらの情報は、周知方法に限界があるので、黙っててもこちらの耳に入ってくることは少ないです。こまめにHPをチェックしておく必要はあります。

なお、この研修会の内容がどのようなものなのかについては、中止になった第1回のプログラムが公開されていますので確認して下さい。このスケジュールをそのままWEB開催するとなった場合、受講側はいろいろと新たな課題が出てくると思います。

ステップ5:申請のための準備をする

2020年7月時点では、申請に関する書類はリリースされていません。ただ、すでに運用されているほかの専門薬剤師制度は、類似点も多いので、過去のものでも参考にはなると思います。

がん専門薬剤師(2019年度)
https://www.jsphcs.jp/nintei/shinsei/g-senmon.html

薬物療法専門薬剤師(219年度第2期)
https://www.jsphcs.jp/nintei/shinsei/y-senmon2.html

書類の作成は、PCが必須

書類は、下記の実務経験の証明と、具体的に署名が指示されている箇所以外は、手書き厳禁です。ファイルはマイクロソフトエクセルですので、エクセルを使える環境がないという方は、エクセルを入手する必要があります。

さらに、書類は印刷するだけではなく、ファイルそのものも提出が求められます。USBメモリ または CD-ROM にコピーして、郵送の封筒内に入れるような流れになると思われるので、媒体の準備もあらかじめ必要です。

イロイロ面倒ですが、指示されたとおりに対応してください。別の記事にも書きましたが、「向こうの土俵」なので。

5年間の実務経験の証明が必要

要件2の確認のために、一部書式に施設長・所属長による認証(公印)が必要になります。もしかしたら別の表現で「誰か」が示されるかもしれません。

施設長とか所属長って「誰?」って質問が湧いて出てくることが予想されます。

一般的には、いわゆる在職証明にあたるので、会社の場合は雇用者である「社長」の「公印」が必要になるのではないかと思います。行政用語的には「薬局開設者」にあたる人、というのが普通かと思います。

転職した場合には、合算して5年になるように、それぞれの職場で証明をもらう必要があります。
社内異動による配置換えについては、Q&Aを待った方がいいと思います。
証明者(例えば社長)が同じでも、施設ごとの提出が求められることもあるからです。

ステップ6:申請する

書類をすべて整えたら、一式を郵送します。

過去にいろいろあったのでしょう。「郵送」と指定されています。クロネコやバイク便等での送付は不可と思ってください。

恐らくレターパックが推奨されると思うので、レターパック<赤>で3日前くらいに投函するようにしましょう。

まとめ

現時点での情報をもとに、地域薬学ケア専門薬剤師取得のためのロードマップをお示ししました。今回お伝えできていないことや、今後明らかになってくることもありますので、この記事を修正するか、別途新たな記事を掲載するかしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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この記事の執筆者

なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
現役の病院薬剤師(勤務歴20年)
複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり