認定薬剤師について調べる前に知っておくべき超基本情報

認定薬剤師(基礎)

認定薬剤師とはなんなのか基本中の基本を理解する

この記事のポイント

認定薬剤師は多くの制度がある
「誰が」「何を」に認定しているのか制度ごとに異なる
大きく分けると「2つ」に分類できる

「健康サポート薬局」や「かかりつけ薬剤師」、さらには医薬品医療機器法(通称︰薬機法)の改正によって、「認定薬剤師」の需要が高まりつつある・・・と言われています。

一言で「認定薬剤師」と言っても、実は非常に多くの制度があります。

薬剤師同士の会話で「認定薬剤師」が話題に出た際にそれぞれの言及している認定薬剤師制度が異なっていて???となるようなこともあります。

アンジャッシュのコントのように(わからない方すみません)結果的に会話が成立してしまい、あとからガーン!とショックを受けることさえもあります。

本質をわからないまま「認定薬剤師」を取りたい!っと言って、ご自身の環境や希望にあわない「認定薬剤師」取得のロードマップに乗らないために全体像を知っておくことは重要です。

そもそも認定薬剤師って、なんなん?

そもそも「認定薬剤師」ってなんなん?って話なんですが、ざっくりした答えは薬剤師を「認定」することです。
いや、だから、それ、説明になってないです。
そこで、つぎの3つを補足して考えてみましょう。

  • 「誰が」認定するのか?
  • 「誰を」認定するのか?
  • 「何を」認定するのか?

この3つを把握するだけで、ほぼ理解できます。

国家資格である薬剤師は一度国家試験を受かり登録されると一生その免許は有効で、犯罪者にでもならないかぎり取り上げられることはありません。

しかし、これだけ日進月歩の医療において、この薬剤師はイケてるのかイケてないのか?なかなかわかりません。
患者さんとして、同僚(必ずしも薬剤師とは限りませんよね)として、あるいは採用担当者として、超ヤバイ薬剤師だったらすごいイヤじゃないですか(そんなのいてほしくないけど、残念ながらいたりします)。で、できればイケてる薬剤師がわかったらありがたいですよね。

そこでイケてる薬剤師を「この人イケてます!」とお墨付きを与えることで、みんながそのイケてる薬剤師をわかるようにするのが、認定薬剤師の基本的な「制度設計(骨組み)」です。

認定薬剤師の制度設計の基本骨格

「誰が」
いろいろな人たちが、評価をしています。
「人たち」というのは、「団体」や「学会」という組織を作って、実際にはこの団体や学会がお墨付きを与えることになります。

「誰を」
評価されるのは、もちろん薬剤師、つまりあなたです。
注意すべきことは、評価をしてほしいときには、「私を評価をしてください」と申し出ないといけないことです。頼んでもいないのに、勝手に評価されたら、余計なお世話ですよね。

「何を」
何を評価するか?それは、評価をする人たち=「誰が」の人たちが、それぞれのルール=基準を設けて決めています。
このそれぞれのルールが、実に多彩なため、認定薬剤師がゴチャゴチャした感じになってしまっている原因でもあります。

認定薬剤師は、大きく分ければ2種類

この多彩なルールは、大ざっぱに2つに分けられます。

  • 「努力」を評価する認定
  • 「経験」と「実力」を評価する認定

気になる認定薬剤師があるのなら、それがどちらのタイプかを知るだけでに、これからの行動の指針なります。

「努力」を評価するスタイルの認定薬剤師

「努力」を評価する認定薬剤師の代表格が、日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師です。これはもうめちゃくちゃ有名です。
また、大学の卒後教育、啓発として設置している認定薬剤師制度は、ほとんどが「努力」を評価するスタイルになっています。

批判を恐れずわかりやすく例えるなら、これはスタンプラリーです。

研修会に参加→シールまたは受講証をもらう

このステップをひたすら繰り返して必要な単位数を集めます。決められた期間内に決められた単位数を集められれば条件達成です。
書類の作成など事務的な手順は必要ですがほぼ認定されます。

取得のしやすさでは、1番カンタンだと思います。

「経験」と「実力」を評価するスタイルの認定薬剤師

こちらは、取得のハードルが(「努力」を評価するスタイルの認定薬剤師よりは)高いです。
評価される指標が2つありますし、その2つはすぐに手に入る物ではないからです。

「経験」の評価方法は、こちらも大きく分けて2種類あります。

1つは「時間・期間」。
例えば勤務経験●年とかいうやつです。
えっ?それ?どうやって証明するの?と思われるかもしれませんが、自分の勤務している職場(転職等している人は前に働いていた職場も)に公式に勤務歴を証明してもらいます。「在職証明」というやつです。これが求められる場合は認定薬剤師の制度ごとに専用の書式が用意されています。

もう1つは経験の「自主報告」です。
具体的に経験した症例や事例を決められた書式の報告書を作成してその「内容」と「経験数」が評価されます。
この自主報告で苦労される人が非常に多いのではないかと思います。特に「経験数」については、認定薬剤師の制度ごとに必要数が決められていて、結構な量を求められます。
例えば「〇〇の薬物治療について薬学的介入を行った50症例」みたいな感じです。

上の例で言えば、50症例以上の経験がなければ、50人になるまで認定薬剤師の要件が満たされません。認定する側の「団体」や「学会」にとっても、この報告の評価は機械的にできないので、一人一人実際に読んで評価をしていきます。そんな手間がかかる作業なのと、後述する「実力」を評価するために、申請・審査は年1回、それも決められた時期・期間のみの受付ということがほとんどです。

一方、「実力」の評価は、割とわかりやすいです。

おなじみの「テスト」。これです。
試験に合格すればいい、システムとしては非常にわかりやすいです。
ただ、テストに合格するためには多くの場合で勉強が必要です。

さらに、研究の業績として、学会発表や論文発表を求められることもあります。これらを求められる認定薬剤師は、取得のハードルは高いですが、取得すれば、そのお墨付き度もまた高くなります。

これが嫌で、認定薬剤師取得をあきらめる(目指さない)という方もいらっしゃるようです。
とはいうものの、研究や学会発表も薬剤師の必要なスキルの1つになりますので、ぜひチャレンジしていただければと思います。

多くの「経験」と「実力」を評価するスタイルの認定薬剤師でも、実は「努力」も求められます。上記でスタンプラリーと評したような研修参加です。

そして、「経験」と「実力」(と「努力」)の評価は、全部をまとめて評価にされるものと、1個ずつ決められた順番で評価されていくものとがあります。上で書いている通り、認定の機会が年イチ(1年に1回)になるので、中長期的な計画が必要です。

なお、「認定薬剤師」の名称ではありませんが、「専門薬剤師」もこのスタイルの「認定薬剤師」の1つに含まれます。


この記事の執筆者

なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
現役の病院薬剤師(勤務歴20年)
複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり