新人薬剤師の貴方に「とりあえず」知っていてほしい認定薬剤師・専門薬剤師のはなし(2021年4月版)

日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師(G01) 日病薬病院薬学認定薬剤師(P04) 認定薬剤師(基礎)

新人薬剤師(名簿登録待ち)の皆さん、薬剤師国家試験の合格おめでとうございます。今年の試験はある程度の告知がされていたとはいえ、従来よりもやや難易度が上がったといわれた試験を PASS されたわけですから、自信をもって頑張ってください。

国家試験の次なる目標をどうするか?

国家試験がここまで最大の目標だったと思いますが、それを乗り越えたいま、次なる共通の目標・ゴールというものは「ない」んですよねとはいえ、薬剤師として活動していくためには、継続した日々の研鑽(けんさん)が必要ですし、求められます。

認定薬剤師・専門薬剤師という目標

その次なる目標の一つとして、認定薬剤師、専門薬剤師というものがあります。

このWEBサイトでは、この認定薬剤師・専門薬剤師を目指す方を応援するために開設しました。

すべてとはいきませんが、認定薬剤師・専門薬剤師に関する情報や、過去にいくつかの認定薬剤師・専門薬剤師を取得した経験についてお伝えしていきます。

準備を始めるのに早すぎることはない

まずは1人前になってから、そんなすぐに認定とか専門とかいうのも・・・
ということはありません

全くそんなことはありません。

重要なことなので2回言いました。

それは、モチベーションや意識の高さが問題ではないからです。

認定薬剤師・専門薬剤師は、ほとんどが獲りたいと思ってすぐにとれるものですはないのです。

認定とか専門とか、そういうものがなくても薬剤師であることに変わりはありません。

ただし、上述の通り薬剤師として継続した勉強は必要になってきます。

昨今、勉強をしない(これはつまり市民の健康を守れないことを意味します)薬剤師さんの存在が問題になりつつあります。

この勉強を続けるということと、認定薬剤師・専門薬剤師がいろいろなところでリンクしてきます。

みなさんが、薬剤師になろう!と思って、6年間の大学生活を必要としたのと同じようなものです。そして大学に入るために、勉強もしたでしょうし、大学についていろいろと調べたと思います。

勉強という努力は、目標や目的は少し変わりますが、同じです。そして、大学についてイロイロと調べたように、認定薬剤師・専門薬剤師についても早いうちから知っておくことは、重要です。

まずは、知っておくこと、これが大事です。

あなたが就職する職場で、認定薬剤師・専門薬剤師について、認識が浅かったり理解の薄い方が多くいらっしゃるかもしれません。

認定薬剤師や専門薬剤師は、すべての薬剤師が目指すものではない、目指すべきものではないので、大学でみんなが一緒に国家試験を目指すのとは様子が違うと思います。

最近は少なくなったと思いますが、なかには否定的なことをおっしゃる方がいるかもしれません。多様な価値観のなかでそのようなことをおっしゃる方がいるのも事実です。

ただ、できればそのような言葉に流されずに、「とりあえず」は、認定薬剤師・専門薬剤師を中長期的な目標の一つに掲げられた方が、貴方のためにいいと思っています。

そして、仕事が忙しくて、あるいは、仕事に熱中して、少し先が見えなくなるというときがあります(私にもありました)。

そんなときもまた、できるだけないがしろにしないで、頭の片隅だけでも、認定薬剤師・専門薬剤師のことを忘れないでいただきたいですね。

認定薬剤師・専門薬剤師はたくさんあるけど、どれがいいの?

認定薬剤師・専門薬剤師の制度は、ここ数年で非常に多くなりました。

その中からいったいどれがおすすめなのか?ということについて、なりゆき薬科大学のおすすめは、以下の2つです。

  1. 保険薬局に就職する方向け → 日本薬剤師会 JPALS 認定薬剤師
  2. 病院に就職する方向け → 日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師

この2つをおススメする理由

上記の2つに共通なのは、いずれも認定取得のために「一定の時間を要すること」と「認定試験がある」ことです。

「時間が必要」

ここを意識していただくのが、この記事の大きな目的です。

この一定期間は「短縮不可」なんですよ。

だから、「とりあえず」はじめておくことが重要なのです。

また、保険薬局と病院で目指すべきものが異なるのも理由があります。

1.JPALS 認定薬剤師のシステムは日本薬剤師会の会員だと、無料で利用可能です。最初から全員が薬剤師会に所属することはなさそうですが、非会員は月額10,000円ですので、薬剤師会所属になる方はぜひ利用しましょう。

一方で、病院薬剤師向けとして紹介した日病薬病院薬学認定薬剤師は、認定の要件に「会員であること」が含まれているためです。

認定薬剤師・専門薬剤師の認定要件には、こうした「時間」が必要なものが多く含まれております。

すでに書いた通り、時間は戻れないし短縮もできません。

早くとることだけがいいことではありませんが、取れるようにしておくことはあなた自身のモチベーションに直接つながると思います。

是非意識してみてください。

もっと知りたいという方へ

2020年の新人さんに向けたバックナンバー(2020年4月)

昨年のこの時期にも、似たような記事を上げており、やはり上記の2つをおススメしています。

こちらもぜひ参考にしてみてください

日病薬病院薬学認定薬剤師に関する情報(2020年4月)

病院薬剤師向けの認定制度については、自分自身が取得した経験もあり、昨年記事にしているものがあります。

こうした情報を今後も発信していきますので、お気に入り登録してお待ちください。

この記事の執筆者

  • なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
  • 現役の病院薬剤師(勤務歴20年超)
  • 複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり

これまでに取得した認定や専門の資格についてはこちらをご覧ください