がん専門薬剤師・薬物療法専門薬剤師がさらに取りにくくなったはなし
がん専門薬剤師・薬物療法専門薬剤師の認定基準が変わったことと、変更点を理解する
専門薬剤師は認定薬剤師より大変なんじゃないの?
なりゆき薬科大学では、認定薬剤師と専門薬剤師は、名前が違うだけで、それほど変わらない、というスタンスで紹介しています。
そのあたりの細かい解説は、後ほど別記事を上げたいと思います。
今回はがん専門薬剤師・薬物療法専門薬剤師の制度が変更され、認定要件(取得に必要な条件)も変更となリました。
今回のこのルール変更により、ちょっとだけ取得のハードルがあがった(取りにくくなった)のではないかと思います。
ルール変更の経緯は、法律の改正と学会の事情の2つがあると思いますが、取得を目指す上では直接関係ないと思われるので省略します。
今回のルール変更で大きく変わったのは2つ。
- 事前取得が求められる認定薬剤師のリストから医療薬学会認定薬剤師が消えた
- 学会発表・学術論文の実績が必要になった
日本医療薬学会では今回変更で認定薬剤師の制度がなくなりました。
そのため、日本医療薬学会認定薬剤師の記載がなくなりましたが、過渡的措置がありますので、該当する方(ほとんどいらっしゃらないかと思います)は細則をご確認ください。
多くの人にとっては、2つ目の要件追加が大問題です
そういった経験がない方(少ない方)や、時間や材料がないという方がいると思います。
おっしゃるとおりです。今までだったら、必要なかったことが急に追加されたのですから。
今年、来年に申請しようと数年をかけて準備をしていた方には、青天の霹靂だと思います。
これまでこういう取り組みをしていなかったかたには今から学会発表の準備するのも大変ですよね。
流石にこれを何とかする方法は思い当たりません。
がん専門薬剤師の場合はギリギリ間に合うかも
新ルールの発効年度には専門薬剤師の制度ごとにズレがあるので注意が必要です。
がん専門薬剤師 2021年の申請から
薬物療法専門薬剤師 2020年の申請から
がん専門薬剤師だけは、新しいルールの適応が1年ズレます。
本当の理由は明らかにされていないと思いますが、申請時期など年間スケジュールの問題なのかもしれません。
それでも、がん専門薬剤師と薬物療法専門薬剤師は、認定薬剤師・専門薬剤師の花形と言ってもいいくらいの資格ですし、旧ルールでも十分に難関と思われています。
まとめ
認定薬剤師・専門薬剤師に関するルールは、制度を設けている学会や団体の方針によって変わることがあります。
そのことを責めても、嘆いても、憂いても、ルールは変わりません。私たちは、決められたルールに従ってやるしかないのです。
(認めていただくということは、そういうことを含むのです)
それでも、ぜひ頑張っていただいて、新ルールで専門薬剤師になることを叶えていただけたらと思います。
この記事の執筆者
なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
現役の病院薬剤師(勤務歴20年)
複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり