認定薬剤師は簡単に取得できるか?

日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師(G01) 日病薬病院薬学認定薬剤師(P04)

認定薬剤師に認定要件は制度により異なることを理解する

この記事の要点

「もの」によってはまあまあ簡単にとれるものもある
簡単に取れるものがいいかどうかは個人の好み
時間がかかるものもあるので目的をよく考えること

努力を評価するタイプの認定薬剤師は比較的取りやすい

分かりやすくいってしまうとスタンプラリー形式のやつです。
努力をすれば(=シールを集めれば)、それがそのまま評価されると思ってください。

規模と実績を踏まえると日本薬剤師研修センターの「研修認定薬剤師」が最も有名です。
そのほかにも、大学や地域の薬剤師会、団体等で独自に運営しているところもあります。

1つの目印は「G○○(2桁の数字)」

こうした努力評価型の認定薬剤師制度は研修シールや受講証に「G○○」と「G」につづく2桁の番号がどこかに記載されていることがあります。
これは日本薬剤師認定制度認証機構という第3者機関による認証番号で、おもに努力評価型の認定制度にこの番号を付与しているようです。
日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師」制度には「G01」が付与されています。

例外はあります

ただし、この「G○○」の認証番号があれば、努力評価型の認定制度かというと、必ずしもそうではなさそうです。
例えば、「G25」で認証されている「JPALS認定薬剤師」の制度では、試験に合格することが求められています。

取りやすさの具体例

取りやすいとはどれほど取りやすいのか?
具体例として前出の日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師」をとりあげてみます。


研修認定薬剤師になるには
http://www.jpec.or.jp/nintei/kenshunintei/howto.html

  1. 研修手帳を入手する
  2. 研修受講シールを集める
  3. シールを手帳の貼付し、研修内容を記録する。
    40単位以上(最長4年間、毎年5単位以上)習得して申請する
  4. 認定手数料を振り込み、研修認定薬剤師新規申請書、研修手帳、・・(中略)・・を各都道府県薬剤師研修協議会へ提出する
  5. 研修認定薬剤師として登録、認定薬剤師証が交付される

提出書類がいろいろあるのが面倒ですが、手順そのものはいたってシンプルです。
期間についても、最長4年と書かれていますが、最短の基準はないため、薬剤師1年目から取得が可能です。
むしろ、薬剤師1年目で取得可能な認定薬剤師は、こういった努力評価型のものに限られます。

ただし、40単位はなかなかの数です。
平日の夜(業務後)などに行われる勉強会では、せいぜい1単位です。
休日に開催される終日の研修会は3~4単位もらえるものもありますが、そうした研修会を調べるのもまた大変ですし、日程上、参加できるかどうかもわかりません。

e-learning で単位が取得できる

単位取得の選択肢の1つとして、VOD(ビデオオンデマンド)方式による e-learning が用意されています。
時間と場所を選ばずに学習できるという点では利便性があります。


ビデオ・オン・デマンド(VOD)研修
http://www.jpec.or.jp/kenshu/jyukou/kenshunintei_vod.html

筆者自身の話ではありませんが、とある事情から日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師を急遽取得しないといけない状況になった方が、あらゆる手段(もちろん合法的で、倫理上問題のない範囲です)を駆使して、4か月程度で申請にこぎつけたのを知っています。
こういうやり方は、認定薬剤師本来の趣旨に必ずしも合致していないので、褒められたことではないのですが、事実として、取ろうと思えば最短これくらいという実例にはなろうかと思います。

まとめ

努力評価型の認定薬剤師は、文字通り努力を評価されるので、努力しないで取得することは不可能です。
その努力をどのように積み重ねていくかは、それぞれの価値観やライフスタイルにあわせた計画が必要です。


この記事の執筆者

なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
現役の病院薬剤師(勤務歴20年)
複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり