アンサングシンデレラ第3話を見たアンサングな感想
2020/7/30 よる10:00~ フジテレビ系列で放送されたドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」を現役の薬剤師がみて思ったことを発信します。
アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 – フジテレビ
アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 – オフィシャルサイト。2020年7月16日スタート。毎週木曜よる10時放送。出演:石原さとみ
普段は、このHPでこういった記事は掲載していませんが、このドラマは薬剤師にとって、それくらいのおおきなインパクトだということです。
第1回・第2回の放送を見た感想はそれぞれこちらです。
アンサングシンデレラ第1話を見た感想とアンサングな補足
初回は病院薬剤師を知らない人が、病院薬剤師ってこんな感じ、というのを基本情報として伝える役割を担ったであろう第1話。無事に任務完了されたと思います。医療従事者がない人には、病院薬剤部なんてただのブラックボックスでしかないと思いますので。
アンサングシンデレラ第2話を見たアンサングな感想
前回(#1)のあとは、ネット各所でいろいろと意見が飛び交いましたね。今回も薬剤師的な「あるある=リアル」な部分と、ドラマならではの「フィクション=やりすぎ」部分とが相混じっていました。ドラマってこれくらいなんだと思います。
この記事のもくじ
第2回の視聴率は9.8%
第1回の視聴率が10.2%、第2回が9.8%とのことで、下がった下がったと煽り記事が蔓延しておりますが、サンプル数からすると、誤差に含まれる範囲ではないかと思います(ちゃんと計算していません)。
我々は視聴者であるので、楽しめればいいという気もしますが、なにか他人事とは思えない気持ちがそういう数値にも心が宿るんでしょうね。
そういえば、こんなニュースも出てましたね。
見逃し配信再生数が歴代1位
『アンサング・シンデレラ』初回見逃し配信再生数がフジテレビ歴代1位に!
毎週木曜22時~ 木曜劇場『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』
本放送をリアルタイムで見れない薬剤師が多いってことが反映しているとかあるんでしょうか。もちろん真偽のほどはわかりませんが、要因の一つにはなってそうな気もします(個人の感想です)。
そういうリカバリー能力というかバックアップ情報収集は職業病的に身についているような気もしなくもありません(個人の感想です)。
第3回放送の感想:ここから本題
今回も、薬剤師的なネタ満載でした。
ニフェジピンCR錠の半錠調剤
ニフェジピンCR錠の「半錠」調剤、からの小野塚さんの正体判明。小野塚さん勤務先のドラッグストアの勤務シフトの過酷さ。
など、わたくしのSNSタイムラインも盛り上がっていました(笑)。
CR錠の半錠調剤エピソードと、小野塚さんの職場が大変なことは、今回の放送前からうすうす耳に入っていたので、ドラッグストア勤務の薬剤師さんが怒りそうだな・・・炎上すんじゃないか?なんて、不安もありました。
ビンゴ的中しなくてよかったです。
まあ、そりゃあ、そうですよ。プロが制作してるんですから。
とはいえ、病院薬剤師とドラッグストア(と保険薬局)の置かれている状況、思考構造の違いなどは、なんとなく我々の中に埋もれている感覚に合致していたのではないかと思います。
そもそものCa拮抗薬の選択とか、使い方とか、治療上の位置づけとか、Con traverse なこともあるので、薬剤師界隈での議論は尽きないですね。
病院薬剤師は上から目線
何度か出てきた小野塚さんのコメント。
「病院薬剤師は上から目線」
これは、なんだかわからないですけど、そういう経験された薬剤師はそれほど多くないとは思いますが、「そんな気がしている」人が多いようにも思います。
このことに関する個人的考察もあるにはありますが、根拠に欠けるのでここに記載するのは自粛します(笑。
・・・そう書くと、なんかいけないこと考えてそうですが、そうではありません(って、そんなの信じられるかーっ!と怒られそうです)
とはいえ、病院薬剤師、しかも駆け出しのころにはレセプト情報なんてほぼ触れないのは確かです。
職場の収支についても、本心ではほぼ無関心というひとは多いかと思います。実際にお金を触れることもありませんし。
最も大事なことは、どちらの立場も、どちらの意見も、対立軸ではあったとしても、必要なものだということです。
透析患者さんの内服薬服用の大変さ。
こう言うエピソードは、これまでのドラマではいままであまりとりあげられていなかったと思います。
患者さんを襲う不幸な症状は、病気由来として表現されていることが設定上はやっぱり普通になりますからね。
コンプライアンス、アドヒアランスに関する個々人の課題をやる気の問題ではない形で描いてくれているのはよかったですよね。
みどりの面倒臭さが、さらに炸裂
それぞれのエピソードは、確かに「あるある」かと思います。
ただ、まあ、しかし、みどりの面倒くさい感じが、またすごいですね。
浮き沈みの激しさが、また、すばらしい。
自分の職場に、あれだけの人がいたら、また、大変だなあ~とはもちろん思います。
瀬野さんは田中圭だから、朴訥としていてもクールでかっこいい感じなりますが、あれ、自分だったら「なんもしない、できない、くそおやじ」としか言われなさそうです。
その分、ドラマとして、エンタメとして、楽しめているのだとも思います。
その他気になった小ネタ
- 患者さんを探すときでも、院内は入っちゃだめよ。2次災害のものとになります。
- 販田部長さん、勤続20年なのか。新卒就職だとしたら・・・自分と同世代じゃないか。部長になってすでに数年やってそうだし・・・若くして抜擢されたんだな。
うらやましい。すばらしい。 - プレゼントになってたウエストポーチ(ほかの皆さんもみんな使ってるやつ)、今後広まって珍しくはなくなるのかも・・・。実際にああいうのを使ってた同僚がいましたね。
- 学校に行ってカード作るエピソード。ありなしの議論はいいけど、スクラブではいかないほうがいいなあ。
- 新田先生の心理、というかお気持ち、すごいわかりますねえ。あんなには無理できないけど、自分でも少々無茶する可能性はあるかな。
今週の復習
今回のネタは2つですね。
透析関連はもちろんメインだったので、「慢性腎臓病とその治療」は想定できましたが、「トローチの穴」問題は、ちょっとまさか、そこ?・・・でした(笑)。
でも、結構重要な奴ですよね。
穴ないと死んじゃいますから。
見逃し配信
配信は終了しました。
この記事の執筆者
なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
現役の病院薬剤師(勤務歴20年)
複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり
