アンサングシンデレラ第2話を見たアンサングな感想
2020/7/22 よる10:00~ フジテレビ系列で放送されたドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」を現役の薬剤師がみて思ったことを発信します。
アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 – フジテレビ
アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 – オフィシャルサイト。2020年7月16日スタート。毎週木曜よる10時放送。出演:石原さとみ
普段は、このHPでこういった記事は掲載していませんが、このドラマは薬剤師にとって、それくらいのおおきなインパクトだということです。
前回(#1)の感想も、それほど大きな反響を呼ぶこともなく、結果的にその後のアクセス数が減るというマイナスしか生み出さなかったのですが、懲りずに今回も書かせていただきます。
アンサングシンデレラ第1話を見た感想とアンサングな補足
初回は病院薬剤師を知らない人が、病院薬剤師ってこんな感じ、というのを基本情報として伝える役割を担ったであろう第1話。無事に任務完了されたと思います。医療従事者がない人には、病院薬剤部なんてただのブラックボックスでしかないと思いますので。
アンサングシンデレラとは
『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』では、病院内にある薬剤部にて、主に患者の薬の調剤、製剤を行う“病院薬剤師”たちの知られざる舞台裏を描いていきます。病院薬剤師を主人公として描く日本の連続ドラマは初となります。“アンサング”とは「褒められない」という意味。医師のように頼られず、看護師のように親しまれなくても、“縁の下の力持ち(=アンサングヒーロー)”として患者のために奮闘する病院薬剤師たちの、まだ誰も知らないヒューマンドラマが幕を開けます!
(番組HPより一部抜粋)
前回(#1)のあとは、ネット各所でいろいろと意見が飛び交いましたね。
得てして(といっては失礼ですが)ネガティブな文言のほうがバズりやすいということもあり、あんなんじゃないとか、薬剤師余計なことするなとか、主人公のマイナスな面を指摘する発信が私には目につきました。
もちろん、肯定的なのもありましたよ。
初回の視聴率は10.2%
視聴率速報値が10.2%とのことで、テレビ業界サイトの評価は、まずますといったことを言ってました。
私のように普段あまりテレビを見ない人が、少なくない一定数見たことを踏まえると、少しプラス側に誤差を持っているかもしれません。
視聴率の測定って、統計的手法の教材としては、参考になると思いますので、少し調べてみてもいいと思います。
で、第2回の感想
今回も薬剤師的な「あるある=リアル」な部分と、ドラマならではの「フィクション=やりすぎ」部分とが相混じっていました。ドラマってこれくらいなんだと思います。
大門未知子みたいな医者は恐らくいないし、杉下右京みたいな警官なんて絶対いないし、金八先生みたいな教師だって、まあいませんよね。
ご指名入りましたってこともあったなあ
薬剤師の指名って、自分も時々経験してきましたが、手術予定されているのに、それを変えてまでってのは、さすがになかったです(指名されてるのは自分以外のもの含めてって意味です)。
マトリを深堀りしてみる
それにしても、序盤に登場の「マトリ」は、今回のような感じでお会いしたことは、一度もないですね。
医療解説の最後に書かれていますが、必要に応じて・・なので、来るということになった時点で、ほぼ何かやっちまってることは確定しているはずです。
とはいえ、地方厚生局いってしまうと、ちょっと何言ってるかわからなーいと思われてしまうので(地方厚生局の皆さんごめんなさい)、イメージつきやすいところを設定に使ったのだと思います。
なお、本物のマトリさんは、全国で数百人しかいなくて、主に違法薬物の摘発を生業としているので、医療機関に来る余裕は、ほぼ「ない」と思われます。
犯罪の摘発、という点では全国の警察官と人数を比較すると、大変そうなのも理解できるかと思います。
その他気になった小ネタ
- くるみさん、イケメンには超積極的でしたね。いいことです。
- 七尾副薬剤部長の白衣の着方(前開け)。まあ、偉そうな雰囲気出しやすいですけどね。
- 自分がこれまで働いてきた職場では、調剤ピッキング時に「これやって」と処方箋&薬袋の束を渡したり、「あれ何錠取って」みたいな受け渡しルールはなかった(今もない)ので、斬新でした。
今週の復習
今回は3つのネタ(テーマ)が用意されています。
ロペラミド処方/服用の起源となる、骨肉腫の術前化学療法については、マニアックすぎて、取り挙げられていませんでした。
ロペラミドについては、そんな不整脈起こすほど過量服用するのって、なにか間違ってるのか、やけを起こしているのか?というと、そういうことでもなくて、重症の下痢に対して、結構多い量を使うことがあります。
疾患や抗がん剤レジメンは異なりますが、国立がん研究センター中央病院のホームページで公開されている治療パンフレットに、「ふつうに」掲載されています。
ロペラミドの大量投与そのものは、抗がん剤治療の方に対しては、まあまあありうることなんですよね。
ちょっとこれから、がん治療まじめに勉強しないと、という方に1冊いい本がちょうど出版されたのでご紹介しておきます。
医学生くらいをターゲットにしているそうですが、これから勉強を始める薬剤師さんにも参考になるはずです。
大げさな話ではなく、がん専門薬剤師の方々は、普通にほぼすべてわかってるくらいの内容だと思います。っているとよい、というより知っているべき内容だと思います。
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この記事の執筆者
なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
現役の病院薬剤師(勤務歴20年)
複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり