がん専門薬剤師を目指すひとが入るべき学会「2選」

がん専門薬剤師

がん専門薬剤師を目指すひとが入るべき学会

この記事のポイント

がん専門薬剤師を目指すひとが入らなければいけない学会と入っておくといい学会を厳選して紹介

がん専門薬剤師をめざすためには、それなりの学会に入会して情報収集をしておくことが必要だと考えます。
とはいえ、学会には年会費がかかるので、何でもかんでもたくさん入ることには無理があります。
そこでこの記事では、がん専門薬剤師をめざす方が最低限入っておくべき学会として2つ紹介します。

以下が答えです。

  1. 日本医療薬学会
  2. 日本臨床腫瘍学会

念のための確認ですが、年会費を払って学会員になることと、年次集会に参加することとは別モノです。
ここでは年会費を払って学会員になることをオススメするものについて書いています。

1.日本医療薬学会

がん専門薬剤師を目指していて、現時点で入会していないのであれば、これはすぐに入ったほうがいいです。

理由は3つ
がん専門薬剤師を認定する学会であること
がん専門薬剤師とその認定に関する公式、非公式な情報にいち早くアクセスするために入っておいたほうがいいです。

がん専門薬剤師の認定要件に学会員歴が必要であること
がん専門薬剤師認定制度規程には認定要件として以下の項目が公式に掲げられています。
「申請時において、引き続き5年以上継続して本学会の会員であること」
申請時において、というのは学会に5年以上入っていないとがん専門薬剤師になれないことを意味します。5年「以上」なので、実際に申請できるのは会員歴6年目じゃないとダメなのです。
結構な長期戦になるので、中堅キャリアくらいの薬剤師さんだとこれが面倒で断念される方もいるのでしょう。

年会(年次学術大会)参加費と集中教育講座受講料が会員価格になる
日本医療薬学会の年会は会員と非会員で4,000円、会員の事前参加登録と当日登録で4,000円の差額があります。

  • カテゴリー   事前登録  当日登録
  • 会員          9,000         13,000
  • 非会員      13,000    16,000

年会参加費の差額は年会費ほどではないですが、がん専門薬剤師の要件の1つであり、最低でも一度は受講しないといけない「がん専門薬剤師集中教育講座」の受講料は11,000円の差額になります。

  • 会員       22,000
  • 会員(一般)  33,000

がん専門薬剤師の申請に必要な研修単位(医療薬学会こので研修単位のことを「クレジット」と呼んでいます)は、50単位ですから、集中教育講座に1回、年会に4回参加することでクレジットを満たそうとすると総額で23,000円の差額です。
これ以外にもフレッシャーズカンファレンスや医療薬学教育セミナーなどすべてのセミナーで会員価格が設定されています。

2.日本臨床腫瘍学会

いくつかの関連学会がある中で、どれをおすすめするか?といえば臨床腫瘍学会が圧倒的におすすめです。

理由は2つ。
実はお財布に優しい
日本臨床腫瘍学会には医師以外の職種向けに準会員という財布に優しい価格設定があります。

  • 正会員  12,000
  • 準会員  7,000  ※医師以外に限る

上記の日本医療薬学会が9,000円ですので単純比較はできませんが、2,000円格安です。

正会員になることもできますが、正会員と準会員の違いは、学会の運営に関わる協議員の被選挙権くらいですので、ふつうは準会員でOKです。

薬剤師ががん薬物療法に関して情報収集するには、質、量ともに日本臨床腫瘍学会がいちばんだと思います。

がん専門薬剤師取得のための研修単位が取得できる
がん専門薬剤師取得のために、各種研修により50単位が必要になります。
日本医療薬学会以外の研修では取得できる単位数が少ないものがほとんどです。
その中で日本臨床腫瘍学会の各セミナーは、単位数が多く取得できます。

セミナー受講料は、会員と非会員で10,000円以上の差があることが多いので、年会費分はすぐに回収できます。

ただし、セミナーは主として医師向けにプログラムが作成されていますのではじめは一部むずしかったり、早く感じたりすると思います。

そのほかのおすすめ学会

年会費の負担に問題がなければ、追加で入ることを検討してみてください。

がん治療全般

  • 日本臨床腫瘍薬学会
  • 日本癌治療学会

支持療法に特化

  • 日本サポーティブケア学会

臓器・領域に特化

  • 日本〇〇癌学会
    (例︰肺癌学会・乳癌学会・大腸癌研究会 など)

まとめ

がん専門薬剤師をめざすのであれば、とにかく日本医療薬学会に今すぐ入会しましょう。
それ以外の学会では日本臨床腫瘍学会をおすすめしていますが、他にもたくさんあるので自分の業務や興味にあわせて探してみましょう。


この記事の執筆者

なりゆき専門薬剤師(諸般事情により匿名)
現役の病院薬剤師(勤務歴20年)
複数の認定薬剤師・専門薬剤師を取得、活動歴あり